僕は自分が選んだ2着のお洋服と、玲子さんが選んでくれた
可愛い
ワンピース、そして僕が選んだ花柄の
ワンピースに
合わせたパンプスとバッグを購入した。
その後で玲子さんに連れられ別のショップにも立ち寄った。
僕の目の前には数時間で数えきれないほどの可愛いお洋服が
飛び込んできた。
何着か着てみたいお洋服があったが、既に3着も買ってしまったので
財布にはお金は残ってなかった。
『薫ちゃん、今日は可愛い服買えてよかったね。』
『はい。』
『他にも、欲しいのあったんじゃない。また来ようね。』
『え、また連れて来てもらえるんですか。』
僕は何故だかうれしかった。
玲子さんの言う通りで、他にも欲しくなったお洋服があった。
でも、1人でお店に来る勇気はないし、玲子さんが着いて来てくれると
わかって新しいお洋服を着れることに胸が高ぶってしまった。
そんな期待をして玲子さんとマンションに戻ることにした。
『いいわよ。今度お給料入ったらね。今度は別のお店にも連れてって
あげるね。』
『はい。お願いします。』
『薫ちゃん、今日買った服、明日会社に着てくればいいよ。
美里さんも、順子さんもビックリするよ。薫ちゃん一段と可愛くなって。』
『えぇ、恥ずかしいですよ、こんな可愛いお洋服着て外に出るのは。』
『そんなこと言ってたら、いつその服着るのよ。着る為に買ったんでしょ。』
『それはそうですけど、こんなの会社に着ていって怒られませんか。』
『大丈夫よ。薫ちゃんは会社では制服に着替えるし、クライアント先にも
行くことないでしょ。いっぱいお洒落しなさい。』
『はい。わかりました。でも、朝会社まで恥ずかしいんで玲子さん明日は
一緒に行ってもらえますか。』
『うん。わかたったわ。でも私はスーツだし薫ちゃんの引き立て役ってとこね。』
『そんなことないですよ。』
『そうよ。今日お店でも薫ちゃんのことみんなが注目してたんだから。』
『お店って女の子ばっかりじゃないですか。』
『そうよ、女性の目から見ても薫ちゃんって憎らしいけど可愛いのよ。
嫉妬の目じゃなくて、本当に可愛い子だなって見られてるのよ。』
僕は少し感覚がずれておかしくなっていた。
僕は女性の目など気にしていなかった。気にしてるのは男性の目であった。
僕は
女装して女の子の姿になって男性の目の気にしてしまっている。
女装が他人にばれる不安や恐れではなく、
女装して可愛く女の子姿になった
僕の異性は男性なのか、頭の中がごった返してきたとき我に戻った気がした。
女装して女の子の姿になった薫から本来の僕自身に。
『玲子さん、ちょっと待ってください。買ってませんよ。』
『何を今日はいっぱい買ったじゃない。』
『違いますよ。薫、今日は実家に帰るときの服を買いに来たんですよ。』
『そうだけど、薫ちゃんそんな
髪型になるなんて思ってなかったし、
しばらくカットできないでしょ。すぐにカットして欲しいって言ったら
そんなに可愛くしてくれたオーナーに悪いでしょ。
それにもうこんな時間だし何か食べて帰ろう。』
『それは・・・』
僕はビルのウィンドウに映った自分を確認した。
僕は急に恥ずかしくなり玲子さんにしがみついてしまった。
『どうしたの薫ちゃん急に。』
『え、恥ずかしいです。』
『何が恥ずかしいの。』
『だって薫は本当は。』
『何言ってんの、さっきまでちゃんと女の子できてたでしょ。
それに、薫ちゃん女の子にしか見えないよ。』
『え、・・・。』
そうだった、僕の髪の毛は数時間前にくりくりのロングヘアに
変えられたのだ。
この
髪型で
女装している僕を男性だと見破ることができるのは、
そのことを知っている玲子さん以外には難しい。
そう言われれば、外は既に薄暗くなっていた。
そんなに長くショッピングを楽しんでいたとは思わなかった。
でも、その間僕は紛れもなく女の子になっていた。
そんな僕自身を認めざるにはいかなかった。
僕が男性の姿で実家に戻ることは少し先のことになりそうだ。
タグ : 女装 ワンピース 髪型
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