そして時間も過ぎ店を後にすることになった。
席を立った時ボーイさんが預けておいたコートをかけてくれた。
コートを着て歩こうとした瞬間よろけてこけそうになった
僕はボーイさんに抱きつく感じで支えられた。
『あら、薫ちゃん大丈夫。』
『あ、大丈夫です。たぶんブーツのヒールが。』
僕はなれないヒールのせいだと思っていたがそうではなかったみたいだ。
別に酔っぱらうほど飲んではいないが少し足にきているようだった。
『ちょっとだめね。これじゃ一人で歩けないでしょ。』
『玲子が無理に飲ませるからよ。いいわ私が送って行くから。』
『順子、ごめん頼める。』
『いいですよ。どうせ通り道だし。』
そうして僕は順子さんに支えられてマンションに帰ることになった。
店からは歩いて15分ぐらいの場所だったが帰りはやたらと長い時間を
歩いた気がする。
僕はマンションを確認した。
でも、次に気がついたときはベットの中だった。
それも僕にとっては背筋が凍りつくような瞬間だった。
僕の頭の中はなんだかボーっとしていて、あ、おそらく夢の中から
目覚める瞬間のように感じていた。
でも、いつも感じる目覚めとは少し違っていた。
少し気だるいような、肌寒さも感じた。
寒くはあったが人肌のような温かさも感じ奇妙な感じだった。
まだ夢の中かと、重いまぶたは閉じたままだった。
少しずつ昨日の出来事が脳裏によみがえってくる。
そうだ、女装して女の子にされてしまったんだ。
店を出て僕はどうやってここまで帰ってきたんだろう。
何かおかしい。
お腹の上にある手に入る感触、昨日ワンピースを着せられる前に
玲子さんに着せられたキャミソールみたいだ。
僕はワンピースを脱いで下着姿で寝てしまったのか。
でも、どうやってここまで帰ってきたのかベットにちゃんと入ってる。
お店を出るときコートを着て足がふらついた。
それから先が。
次第に重いまぶたが開いてきた。
僕が感じているこの暖かさはなんだろう。
目が開いた次の瞬間、僕は金縛りにあったように全身が固まって
声すら出せなかった。
僕の目に入ったのは順子さんだった。
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