会社まで長い道のりではないけど、なるべく人ごみを
避ける為僕は早めに出勤することにしていた。
女装することに慣れてはきたけど未だに人の目線は気になる。
今日もまだラッシュに込み合わない時間に電車に乗って会社に
着いていた。
会社に着くと僕はすぐに制服に着替える。
ミニスカートの制服が好きなわけではないけどヒラヒラの
ミニスカートを穿いているより着慣れた制服を着ているほうが
少しは気が楽だった。
僕は美里さん、順子さん、玲子さんが来るまでにミーティングの
準備を終らせコピーしたミーティングの資料に目を通していた。
展示会での3人の役回りが決められていた。
僕はオフィスの留守番になるだろから3人の目から離れられる
盆休み前のプラスの休暇みたいな時間ができそうで気を良くしてた。
今度はちゃんと元に戻れるように決意をした瞬間でもあった。
いつもは気まぐれな時間に出勤する3人だけどミーティングが
あるので今日は時間通りにオフィスに到着しすぐにミーティングに
はいった。
美里さん、順子さんはこの展示会に向けてかなり気合が入っている
様子だ。
このミーティングに僕が参加することはなかったのだけど
なぜかこの日は一緒にミーティングルームに入るように言われた。
『おはよう、今日は展示会までの最後のミーティングになるから
これまでに決めておいた段取りの最終チェックしてね。』
美里さんがそう言うと順子さん、玲子さんは資料に目を通し
確認しあっていた。
これまで何度も打ち合わせしているようで何も問題なく簡単な
確認作業で今日のミーティングは終りそうだ。
『じゃあ、懸念していたコンパニオンのことだけど、やっぱり
予算が厳しくてカットすることにしたから。』
『美里さん、ブースの前でお客さんを足止めできなきゃ
集客が減るし、今後の売上げの為にも予算オーバーでも
コンパニオン雇うべきじゃないですか。』
あまり美里さんの決め事には意見しない順子さんが珍しく
意見したようだ。
『うん、コンパニオンは雇わないけどちゃんとお客さんが
私たちのブースの前に止まってくれる工夫はするわよ。』
『そんなの私と、玲もこれ以上は手がいっぱいですよ。』
『何言っての、薫ちゃんがいるじゃない。』
『え、』
僕は自分の名前が出たことに驚いた。
順子さんと玲子さんも美里さんの意外な発言に言葉がなかった。
『美里さん、薫ちゃんは何もわからないし、展示会も初めてですよ。』
『別に薫ちゃんには呼び込みなんかしてもらわないわよ。
ただ、立ってるだけでいいの。』
美里さんの考えが僕たちには全くわからなかった。
コンパニオンというとお客さんを導く為にそれなりの説明をして
興味付かせないといけない。
僕には無理だ。
『そのことは私に考えがあるから任せて、悪いけど薫ちゃんにも
手伝ってもらうことにするから。よろしくね。』
『え、でも薫は何するんですか。何もわからないし。』
『大丈夫よ、何もしなくていいから、さっき言ったように
薫ちゃんは立ってるだけでいいから。』
何もしなくても立ってるだけでコンパニオンの代わりができるとは
順子さんは思ってなかったようだけど、それ以上は美里さんに口出しを
しなかった。
順子さんは美里さんに何かの策があると思ったからだろう。
僕は展示会の風景など知らないし、ただ立っているだけならって容易に
考えってしまった。
ミーティングはそこで終わった。
美里さんは玲子さんに何か用事を頼んで順子さんと展示会場へ
準備の為外出してしまった。
せっかくプラスの休める時間に色々考えようと思ったけど
そうはいかなくなった。
タグ : 女装 ミニスカート
コメントの投稿